おせち料理は、重箱に詰めるのが一般的ですが、各段に入れるべき料理が決まっています。お弁当のように、適当に詰めても、すべての料理が収納できるなら良いというわけではありません。このルールは、おせちが作られるようになった意味と深くかかわっているので、格段に詰めるべきメニューを覚えておきましょう。重箱の1段目のことを、「壱の重」または「一の重」といいます。
重箱を重ねたときに、一番上にくることになるため、おせち料理の顔と言ってもよいのが壱の重です。したがって、ここに入れてはいけない料理を入れてしまうと目立ってしまいます。祝い肴は、必ず1段目に入れるようにしましょう。祝い肴は、いろいろな意味で使われるのですが、おせち料理では黒豆や数の子、ごまめのことをいいます。
ただし、関西地方では黒豆やごまめの代わりに、たたきごぼうが使われることもあります。この三種類の料理には、それぞれ子孫繁栄や五穀豊穣などの願いが込められており、縁起物としての意味があるので、ルールに則り1段目に入れるようにしましょう。その他に、壱の重には紅白のかまぼこ、伊達巻や昆布巻き、栗きんとんなどのおせち料理を代表するメニューを配置します。縁起をかついだメニューや汁気の少ない料理が、壱の重に入れるべき料理に共通した特徴です。
また、重箱の蓋を開けたときに、真っ先に目に飛び込んでくるのが壱の重であるため、見栄えも重要です。エビの鮮やかな赤、伊達巻や数の子の黄色を上手に配置して、彩りのバランスをとるようにしましょう。おせちのことならこちら